プログラミングとは何?
コンピュータや機械が何かの仕事をするための「手順書」を書くことです。一つ例を挙げてご説明いたします。皆さんは、宮沢賢治の「注文の多い料理店」という童話をご存知でしょうか。あのお話の中で、狩りに来た二人の紳士は鉄砲と弾丸を置かせられて、帽子も外套も靴も脱がされて、顔や手足には牛乳のクリームを塗らせられ、しまいには香水(本当は酢)を頭から掛けさせられますが、つまりそれは、山猫が人間を美味しく食べるために適切な指示を順序良く与えたのですね。まさしく「狩りに来た人間をサラダにして食べるためのプログラミング」を主題にした童話といえるでしょう。
プログラミングは楽しいの?
初めは思うようにプログラムが動かず、困ってしまったり考え込んでしまったりすることが多いと思いますが、いろいろと試行錯誤をしてようやく思った通りにプログラムが動いたときには、大きな達成感が得られます。プログラミングの経験を重ねるうちに、自分で出来ることが増えてどんどんプログラミングが面白くなると思いますよ。
学校でプログラミングの勉強をするの?
新学習指導要領(小中学校平成29年公示、高等学校平成30年公示)が、小学校では令和2年度から、中学校では令和3年度から、高校では令和4年度から実施されることになりました。それにより、小学校では「プログラミング的思考を育成すること」、中学校では「技術・家庭科においてプログラミングに関する内容を充実させること」、高校では「共通必修科目『情報Ⅰ』が新設されること」が決まりました。「小学校プログラミング教育の手引き(第三版)」には、プログラミングを通じてコンピュータの仕組みに関する知識を深め、主体的にコンピュータを活用する力を育てることがこれからの社会を生きていく上で、どのような職業に就くのであれ、重要であることが示されています。それ故、本校では、コンピュータを活用する力を養うことに重点を置いて、プログラミングそのものを学ぶのはもちろんのこと、本来色々な方法で活用が出来るコンピュータを存分に使いこなす力を育んでいきたいと考えています。
「プログラミング的思考」とは?
「小学校プログラミング教育の手引き(第三版)」には、「コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力、すなわち『プログラミング的思考』」と定義されています。小学校におけるプログラミング教育の中核として「プログラミング的思考」を育てることを掲げているのは、中学校でプログラミングに取り組む前段階として、プログラミングに必要な考え方を身に付けることを狙いにしていると考えられます。この点に関して、本校では「プログラミングをすることによってしかプログラミング的思考を体得することは出来ない」という考え方に基づいて、プログラミングの考え方を他の分野(例えば算数など)に援用するような間接的方法ではなく、プログラミングそのものを直接学ぶという方針を採っています。
まず、プログラミングを気軽に体験するには?
主として小学生前後の年代の子供を対象としたプログラミング教材は、無料で誰でも使えるものが世の中にいくつもあります。例えば、「Hour of Code」というウェブサイトには、1時間で出来るように作られた教材がまとめられています。このウェブサイトは、コンピュータ科学を全ての学校の全ての生徒が学ぶ機会を提供することを理想に掲げているCode.orgという非営利団体によって運営されています。また、「Scratch」というマサチューセッツ工科大学メディアラボから無償提供されているプログラミング言語を使えば、ゲームやアニメーションをプログラムすることが出来ます。これもインターネットから利用できるサービスです。他にも、スマートフォン・タブレット用のアプリにも、プログラミング学習のために作られたものがあります。